日本の「非核」神話の崩壊

日本の「非核」神話の崩壊 の詳細

ご存じ、ＮＨＫワシントン支局長を経て、アメリカに５０年以上在住し、軍事を中心に研究されている著者の最新刊です私は、時事問題の本は、なるべく、机上の人よりは、現地で取材される方を優先していますので、本書も、早速購入した１冊ですさて、本書は、タイトル通り、「日本の核武装」について、時系列で整理された本になります〇米ソ冷戦の時代・ご存じ、米ソ両大国が、ほぼ同等の核軍事力を持っていた時期です・従って、双方とも、「核攻撃をしたら、双方の国がなくなる」ことをわかっていましたので、いわゆる「核抑止力」が効き、核戦争は起こりませんでした・また、日本も、アメリカの「核の傘」の元、東側陣営からの攻撃を受けることはありませんでした〇レーガンの登場とソ連の崩壊・レーガン大統領が登場し、ソ連を「悪の帝国」と呼び、米国の軍事力を増強した時期です（宇宙戦略は有名です）・ソ連は、軍事費が追い付かなくなり、ソ連は崩壊し、ソ連の核兵器は、ロシアに引き継がれました〇異常な核の時代・クリントン・ブッシュ・オバマらが、米国の軍事面を怠慢する間、ロシアが軍事力を増強しました・一方、中国が台頭し、親中のクリントンらは、ロシアに対抗する意味でも、中国に軍事機密を渡してしまいました・そこで、米ソの２大国に代わり、米中ロという３大国の時代になりました・一方、北朝鮮が核開発に成功するだけでなく、インド、イスラエル等、核開発に成功する国が表れ始めました・また、ロシア・中国・北朝鮮といった共産主義国は、国民を犠牲にすることを厭わず、「核抑止力」が効かない時代となってしまいましたさて、「異常な核の時代」を迎え、日本は、どうすべきなのでしょうか日本は、広島・長崎を経験し、「核兵器は使えない、作ってもならない、持ってもならない」という国民の意識が強いのですが、世界中に、核兵器が存在している現在、敵に「核兵器は使えない」と思わせるためには、同じような核兵器が必要と説きますそして、日本という国の存在、生活、文化を守るためには、これまで放棄してきた抑止力という問題について発想を転換しなければならないと結びます確かに、「唯一の被爆国」として、核に対して複雑な感情はあると思いますが、将来の日本のことを考える意味でも、多くの皆さんに読んでいただきたい１冊でした